沖縄の言葉は方言じゃない?
沖縄でよく耳にする沖縄言葉
沖縄にくると、沖縄の言葉をよく耳にする機会は多いと思います。
まず、空港に到着すると
「めんそーれ」(=ようこそ、いらっしゃいませ) とお出迎え。
空港内のコンビニでは店員さんが「めんそーれ」と声をかけてくれます。
(日常では使わないので県民にとっては違和感…笑)
観光情報雑誌に載っているのは
「ティーダ」(=太陽)とか「ちゅら」(=奇麗、美しい)という言葉。
沖縄ブームの火付け役にもなった、
ドラマ「ちゅらさん」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
社名や商品名などにもよく使われる定番の言葉です。
食堂に行くとメニュー表にある「ちゃんぷるー」(=混ぜられた)料理。
「ヒージャー」というヤギ料理があります。
Photo by 奥の坂道2
観光スポットで耳にするのは「はいさい!」「はいたい!」などの言葉。
こちらは英語でいう「Hey! What’s up?」。
「よぅ、元気にしてる?」という挨拶代わりに使います。
いたるところに沖縄の言葉って見たり聞いたりするきっかけがあるんですね。
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沖縄の言葉は方言じゃない?
沖縄の言葉(うちなーぐち)のことを方言だと認識している人は少なくありません。
僕の周りの友人も沖縄の言葉を方言だと言っている人はけっこういます。
実は、正しくは方言ではなく、言語になります。
2009年2月19日にユネスコが発表した調査結果によると、
世界で約2500の言語が消滅の危機にあるとし、
日本の南西諸島における諸方言もその対象とされました。
Endangered languages / UNESCO (国際連合教育科学文化機関)
方言から言語の対象となった言葉は県内周辺では以下の6つになります。
- 奄美方言 → 奄美語
- 国頭方言 → 国頭語
- 沖縄方言 → 中央沖縄語
- 宮古方言 → 宮古語
- 八重山方言 → 八重山語
- 与那国方言 → 与那国語
もっと細かく言えば、うちなーぐちは本島の言葉なので、
「シマクトゥバ(島言葉)」という表現が正しいという意見もあります。
消滅の危機
シマクトゥバを耳にするとはいってもごく一部。
日常ではほとんど使われなくなったのが現状です。
平成25年の県の実態調査によると、
シマクトゥバを日常で主に使う人の割合は10%と県全体の1割しかいません。
「しまくとぅば」普及推進計画 PDF資料 / 沖縄県
http://www.pref.okinawa.jp/site/bunka-sports/bunka/documents/hukyusuisinkeikaku.pdf
また、10代〜30代のほとんどは、
ある程度聞き取れはできるものの話すことはできません。
若年層が話せないようになってきています。
普及取組み
沖縄県では、「しまくとぅば」を次世代へ継承するため、
様々な工夫を凝らしています。
県内のATMに音声導入、小中学校でしまくとぅば教育を実施、冊子を配布したりと、今後10年間で積極的にしまくとぅばを使うよう呼びかけています。
ATMが「ハイターイ」 方言音声、県内210台 / 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-194094-storytopic-1.html
県、しまくとぅば活用本作成 会話例など紹介 / 沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=2013-09-27_54570/
なぜ普及させるのか
今さら普及させるのはなぜなのか。
衰退しても特に問題ないんじゃないの。
そう思うかもしれません。
しまくとぅばを消滅させないこと、
それは今後の沖縄に関わる重大なことなのです。
言葉は文化
『うまれじまの くとぅば わしんねー くにん わしゅん』
(生まれ島の言葉忘れたら国も忘れる)
沖縄には昔からこの言葉があります。
作家、大城立裕氏は
『言葉が滅びることは魂が滅びる。ウチナーンチュでなくなる』と言います。
世界にはたくさんの言語がありますが、
その言語があったからこそその土地の文化や伝統が育まれてきたのです。
沖縄でいえば、組踊や空手、沖縄音楽などがそれにあたるわけですね。
言語を大切にして次世代へ継承することが、
伝統や文化を受け継ぐことに繋がります。
同様に、世界中に危機に扮している言語は沢山あります。
イギリスのウェールズ、アメリカ ハワイも言語消滅の危機がありました。
70年代以降に道路標識を2重表記、公用語に正式に認定するなどの復興活動を経て、徐々に普及しているそうです。
衰退からの普及は長年の歳月を必要とするかもしれません。
それでも生まれ島の言葉を忘れずに、大切にしていきたいですね。
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